前回の福岡遠征の続きです。
今回はマンションの室内装飾になります。
リノベーションされた室内はホワイトカラーで統一され、その中のひとつの壁面を普段オフィス内装などの仕事をいただいている緑演舎さんの技術を使って装飾しました。
壁面には苔むしたダイナミックな擬岩を設置し、その岩の隙間から蔓（つる）が伸びて葉を茂らせている、まるで森の奥地にある自然の一部を切り取ったかのような造形を創作しました。重厚感のある岩肌・森の奥地の潤いを感じさせる苔・生命力を感じさせる縦横無尽に伸びる軽やかな蔓と枝葉が組み合わさり、ホワイトカラーの空間に大きなインパクトを与えています。
屋外のテラスと同様に室内装飾にも照明が設置されました。こちらも青白い朝の光、明るい昼の光、赤みがかかった夕暮れの光、月明かりの夜の光などシーンに合わせてさまざまな演出が可能となっています。
夜間は鏡面仕上げの床材と天井材に反射して昼間とは違った空間全体を使ったドラマティックな世界が浮かび上がります。
また、照明に加えて音源の場所が特定しづらいスピーカーが設置されたことで光に合わせた環境音が包み込み、まるで森の中にいるような緑・光・音を組み合わせた総合的な空間演出が体験できます。
このプロジェクトは昨年の夏頃から計画が始まり、装飾のベースである擬岩は何度も試作を繰り返し、製作過程の段取りを考え、パーツごとに分けて東京から運び入れました。
蔓はある程度のイメージを持って現場に来ましたが、やや天井が低目だったこともあり予定以上に蔓のエリアを広げて室内空間に馴染むように設置しました。
照明は日中の作業が終わり、暗くなり始めてから元請けの東邦レオさんと一緒に設置位置や明るさなどさまざまなアイディアを出し合いながら作り上げていきました。
今回も遠方での仕事だったため施工までの準備が大変ではありましたが、現場に来てからの弊社スタッフはもちろんのこと東邦レオさんや一緒に福岡まで来てくれたGA山喜さん、熊本の庭ぐらしさんとチーム一丸となって一つの作品を作れたことはとても良い経験となりました。
他にも関係者の皆様には大変感謝しております。
そして何より皆で納得のいく作品を作れたことがシークレットガーデンの大事な財産となりました。
これからこの部屋が民泊として貸し出される予定とのことですが、福岡に観光で訪れる旅行者や外国の方々に驚きと癒しと最高の時間を過ごしていただけたら嬉しいです！